事例紹介

山本電機製作所画像
~男女格差がないオープンな企業風土~

~男女格差がないオープンな企業風土~

ガスタービンエンジンの株式会社山本電機製作所

会社情報

株式会社山本電機製作所
〒653-0031 神戸市長田区西尻池町1-2-3
創 立 年:1948年
業  種:製造業(業務用機械器具)
従業員数:男性70名/女性51名(2021年1月現在)
事業内容:微差圧計測機器、ガスタービンエンジン周辺機器等の設計・製造・販売

~男女格差がないオープンな企業風土~

 

■30年以上、国内トップシェアを走り続ける

 同社は1948年に山本電気計器製作所として創業し、1971年に(株)山本電機製作所を設立しました。同社のものづくりの原点である「独創性」を重視する姿勢は、現在の代表取締役である山本博和氏にも受け継がれています。微差圧計測機器とシステム制御分野の製品で、業界の先端をゆく開発力を持った企業として知られており、微差圧計測機器の自社ブランド製品「マノスター」は30年以上にわたり国内トップシェアを誇っています。

■創業当初から女性社員が活躍する現場

 同社の製品はほとんどが手作業によるものであり、細やかな作業が多いことから、創業当初から女性社員の割合は男性6:女性4と高くなっています。現在では従業員121名のうち男性70名、女性51名の構成で、ほぼ全ての部署に女性が在籍しています。精密機器製造のため、工場環境は清潔に整備されており、椅子に座る製造工程が多く、また細やかな作業を安定的に継続するのは男性よりも女性の方が向いていると言えます。一方で、重量物を取扱う現場や外回り中心の営業では男性社員が活躍しています。

■スキルアップ応援やプライベートの充実で職員の満足度アップ

 設計部で活躍する女性社員は営業部や設計開発部を経験し、現在は機械設計課に所属しています。もともと工業高校(建築)出身で専門的な知識はほとんどありませんでしたが、同社に入社してから教育訓練を受けました。設計関係の業務に携わるようになってからも、自ら受けたい外部研修やオーダーメイド研修を見つけ、会社に打診し研修を受けています。専門知識を学ぶことは難しいですが、外部研修を活用することでスキルアップを図っており、会社もこうした姿勢を応援してくれています。その他にも、ジョブローテーションの実施によるスキルアップや、リフレッシュ設備完備、年間休日125日や半日休暇の導入など、社員に優しい労働環境が整備されています。全社員において、結婚や育児といったライフステージの変化を機に、退職する社員はほとんどいません。平均勤続年数は男性で約16年、女性で約14年と男女格差がほとんどありません。

■社員の「未来の可能性」を評価する

 同社には「明るく楽しく面白く愛ある人モノ会社を共に創ろう」という企業価値があります。山本社長はこの企業価値に重きを置いた人事考課と社員の行動規範の促進を実現しています。「どんな仕事をしたいのか」という未来志向と、「現在の仕事は楽しいのか」という自己評価を踏まえて評価をおこなっており、こうすることで評価をする側も評価をされる側も、企業価値をしっかりと理解しながら浸透していくことができます。
 社員に対して「結果重視」ではない評価基準が示されているため、社員は安心して長く働くことができます。その結果、社員の会社に対する信用やモチベーションの向上に繋がり、新しいことにも挑戦しやすいオープンな企業風土が形成されています。

■「業務仕分け」による女性就業促進の取組

 非製造業の男女比率が概ね同数であるのに対し、製造業は男性7:女性3、製造業における最重要課題である人手不足解消、ダイバーシティ経営による競争力強化に向けて、女性の力は最大の潜在力です。
 その潜在力を最大限に活かすため、製造業の一連の業務において、女性(文系)人材でも担当可能な業務を切り出し、人材活用の促進を目指すことを目的として、兵庫県では「ものづくり分野における女性就業促進事業」を実施しています。本事業では、女性(文系)人材に対するものづくり分野への研修の実施などにより、製造業の分野におけるさらなる女性就業の促進を図り、モデルケースを創っていきます。

■研修を活用した業務仕分けの手法

 兵庫県工業会と企業で実施するものづくりに関する研修を通じて、業務仕分けを実施しました。
 「ものづくり分野の能力開発研修」については2019年、2020年の2カ年にわたり実施しました。設計業務グループでは、創立以来2人目の女性(建築学科出身)社員を配置しており、今後のロールモデルとして、新たな女性(文系)社員の育成に向け、前向きに検討しています。

株式会社山本電機製作所スタッフへのインタビュー

Q.現在取り組まれている仕事のやりがいについて教えて下さい。

A1:社内の他部署の人とのやり取りの中で、注文を受けて製品を作ってお客様の元に届けていますが、そんな中で、いろんな人が関わっているところに自分もその中に入っているんだなという事でやりがいを感じています。

A2:資材部の調達部門で仕事をしています。主に業者さんからの買付業務が主な内容です。昨今の事情で廃業となる業者さんもある中で、そういったときにスピーディーに業者の方と話合いを重ねて、製造のラインを止めずに済んだ時などに、「あっ!頑張ってよかったな」等と喜びを感じます。

A3:2019年の秋から営業課となりました。社外の方とかお客様と直接やりとりをする機会が増えました。自分の受け答えが直接製品の選定の判断になることもあり、いろいろな知識が必要になるので難しいことも多いですが、その分やりがいがあります。

Q.(株)山本電機製作所様では女性活躍が進んでいますが、女性が働きやすい環境というのはどのような時に、またはどのようなことに感じますか?

A4:女性の方が多いというのも働きやすいなと思っていますが、産休、育児休暇取得後に復帰されている方が多いなと感じています。女性は出産の可能性がありますので、実績として復帰されている方が多くいらっしゃるというのは、これからの人たちも一度休んでも復帰しやすいのではないかと思います。また、男性の方も割と家庭の事情やお子さんのことで有給休暇を取られたりする方をよく見ますので、そういう雰囲気もいいのかなと思います。

A5:弊社では、社外に出かけるチャンスを社長自身が作ってくれる面も多く、海外出張であっても女性の私に行ってらっしゃいと気軽に送り出してくれるところがあり、男性だからとか女性だからとかでは無く、資材課でそういう調達の仕事をしているところだからということで、業務に合ったサポートであったり、外へ出かけるチャンスを与えてくれるところは大きいと思います。

A6:産休、育児休暇制度が整っていたり、時短勤務など、現在取得している社員さんがいるので、私も、もし必要になった時には、取りやすいというのが一番大きいです。

Q.就職活動中の女性(文系)学生の皆さんに向けた一言を頂けますか?

A7:自分のやりたいことや目指す職がある人は、それに向かってどんどん頑張って頂きたいと思います。迷っている方は、いろんな企業・業種にも目を向けて下さい。もしかしたら思わぬ発見があるかもしれません。その中のひとつに(株)山本電機製作所があればうれしいなと思います。製造業は面白いので是非やってきてほしいです。

A8:女性だからと言って制約されることなく、のびのびと働ける環境がすごく良いなと思っています。そう言う風に働きたいと思っている人は、是非一緒に働きましょう。

A9: (株)山本電機製作所は女性にも働きやすい環境が整っているのと、ジョブローテーション制度を取り入れていますのでいろんな職種、仕事を経験できるというのが魅力だと思います。是非皆さん一緒に働きましょう。