インタビュー紹介

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安樂 雅枝さん

安樂 雅枝さん

UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)
兵庫県支部 次長
「UAゼンセン兵庫県支部のオルガナイザーとしてIKI・IKI元気に働く」

会社情報

UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)兵庫県支部
【所在地】神戸市中央区下山手通5-9-3
【事業内容】産業別労働組合
【加盟団体】2,285組合(1,787,871人)(全国)
(令和2年9月15日時点)

UAゼンセン兵庫県支部のオルガナイザーとしてIKI・IKI元気に働く

 UAゼンセンは、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟が正式名称で、約180万人、約2,300組合が所属します。繊維、医療、流通、食品など国民生活に関連する多種多様な産業の「企業内単一労働組合」から組織する日本最大規模の「産業別労働組合」です。
 UAゼンセンは、女性組合員が6割を占める組織であり、男女共同参画や女性活躍を重要な課題と位置付け、組織内に「男女共同参画局」を設置しています。  
 兵庫県支部の幹部として、また、連合兵庫女性委員会委員長として、職場や労働組合活動における男女平等の推進に向けて、日々奮闘される安樂さんにお話を伺いました。

Q.これまでの経歴を教えてください

 新卒で就職したのはスポーツメーカーでした。私は、事務職として働きながら、他部署の方と交流できることが楽しくて、さまざまな労働組合行事に積極的に参加していました。仕事においても、所属部門の女性初の主任職として働き甲斐を感じていましたが、止むを得ない大規模な希望退職募集に、悩みながらも20年間務めた会社を退職。労働組合委員長に退職のご挨拶に行った際に「ゼンセンに入局しないか?」と勧められ、退職日の週明けにはUAゼンセンに入局しました。
 UAゼンセン大阪府支部で、約10年間会計業務を担当した後、兵庫県支部に異動して約10年。現在は、オルガナイザーとして、未結成企業からの組合づくりの依頼や加盟団体からの相談、解決が難しいような労働条件の維持改善などに、専門的なアドバイスをしています。また、UAゼンセン男女共同参画局監修のガイドブックを活用して、各組織の点検、役員比率、決議機関の女性の参画率など、組合活動における男女共同参画をさらに推進したいと考えています。
 また公職などの役割を担う機会も増え、日々、悩みと勉強の繰り返しですが、周りからは活き活き元気そうと言われることが多くなりました。

Q.仕事をするうえでこだわってきたことや工夫していることはありますか?

 最近は特に「雇用の確保」が重要課題となっていますが、加盟団体からの相談を受ける際には「社会の対極のバランスと調和」を念頭に置き、ズレの解消を話し合いで解決するように心がけています。
 世の中は、上―下・好き―嫌い・使用者―労働者・仕事―家庭などの対極にある「二つの側面」が存在して、それらが巧くバランスを取り合うことでこの社会は成り立っています。このバランスが崩れズレが生じると、障害やトラブルが生まれ、そのまま放置すると、やがて大きな弊害となって表れます。
 民主的な労働組合の理念は、生産には協力するが、生まれる利益は公正な配分を求める姿勢で臨むことです。「二つの側面」はすべての事柄に存在することを、心の中心において、そのバランスと調和のために話し合いを重ねることが、私のこだわりです。

Q.人間関係で気を付けていることはありますか?

 40年の社会人生活を振り返ってみますと、人間関係には濃淡があるので「相手との距離感」が大切だと思います。上司と部下、同僚、組合関係者、友人などそれぞれ異なる構図がありますが、共通するのは個人の集まりということです。必要によって、距離感や幅を狭める努力もしているつもりですが、それでも改善しない人間関係があることも理解しています。
 私たちのほとんどはチームで仕事を完成させています。チームワークの相乗効果を最大限に引き出す働き方が、大切ではないかと考えています。誰しも得手不得手がありますが、上司・同僚・自分のチームにおいての役割、立ち位置のコンセンサスが図られている構図が大切です。それがうまくいくと、上司や同僚に認められる働き方に通じるのかもしれません。

Q.ストレス発散やくじけそうな時にどうしていますか?

 ストレスと発散は、先に申しました、対極に位置する「二つの側面」にあり、そのバランスが重要です。「一人で考え込まないで」と聞きますが、大切なのはその次ではないでしょうか。一過性の発散は、例えばカラオケなど趣味をたしなむ方法も考えられますが、その時間が終わっても何かスッキリしないことがあります。私は、ストレス解消の最終は「ひと」であると思っています。自分の悩みを静かに聞いてくれる友人の存在は、何にも代えがたい財産です。真の友人とはこのような間柄かなと。最近は聞いたり聞いていただいたりが続いています。
 また、くじけそうになる、心が折れそうになることも大なり小なりあります。段取りミスや相手との意思疎通や、物事が上手く進まない時は、やり直しや修正できないか、今後に対応可能なことか、に分けて考えます。反省しながらも終わったことと割り切り、多少ひきずりはするものの、次に進めるよう心掛けています。これも同じレベルで話を聞いてもらえる友人の存在が欠かせません。

Q.これから管理職やリーダーを目指す女性にエールをお願いします!

 この春に新入社員になった私の姪が小学生の頃に「今から一生懸命に勉強したら、将来の幸せの選択肢が増えるよ」と話しました。3年後、5年後、10年後、そして場合によっては20年後、30年後、自分が将来どうなっていたいか、何をしたいかを創造するときの、選択肢が増えるという意味です。ただ漫然と目指すのではなく、自分なりの節目に、あるべき姿を創造して、実現のために必要な努力はいかほどか、自覚することが大切です。
 組合活動で巡り合った夫からは、オルガナイザーとしての心得など、さまざまなアドバイスをもらっています。なかでも私が支部職員として業務を遂行する際に、次の言葉が役立っています。「リーダーとはある目的を達成するため、メンバーを引っ張って行く人」であり、「リーダーシップとは目的を達成するため、メンバーに影響を与えられるリーダー」である。
 今まさに社会に求められている、女性管理職・女性リーダーにぜひ挑戦してください。何年後の自分を想像して!