インタビュー紹介

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信川 浩子さん

信川 浩子さん

SAINT AN(サント・アン)三田本店
本店店長・顧客担当アソシエート
ライフステージに合った勤務形態で就業継続
パート店長として子育てとの両立に奮闘中!

会社情報

有限会社SAINT AN
【所在地】兵庫県三田市南が丘2丁目7-10
【事業内容】洋菓子の製造販売
【従業員数】52名(平成29年5月末現在)

ライフステージに合った勤務形態で就業継続
パート店長として子育てとの両立に奮闘中!

 創業以来30年間、厳選した地元素材を中心としたモノづくりを続け、安心、安全をモットーに歩む洋菓子店のサント・アン。勤務歴28年の信川浩子さんは、パートタイマーでありながら三田本店店長の重責を担われています。限られた時間の中で職責を果たしつつ、子育てや保育園のPTA活動、そしてライフワークとする劇団活動などをしなやかにこなされます。今、そしてこれから仕事と子育ての両立を目指している女性の先輩として、信川さんにお話を伺いました。

完璧を目指し過ぎない
好きなことを仕事に活かす

Q これまでの経歴は?
 学生時代から演劇に興味があり、大阪の劇団でミュージカルや演劇活動をしていました。高校卒業後、演劇と両立するために自宅近くのサント・アンにアルバイトとして入社。その後、勧められて正社員になり、出産、育休を経て、復帰後はパートタイマーとして勤務しています。
 三田阪急店のパート店長としてマネジメント業務を担当後、昨年、三田本店店長に指名されました。会社の理解を得て、ライフステージに合わせた勤務形態を選択しています。今年度中に準社員に変更し、子どもが小学校に上がる2年後には状況をみて正社員に戻るつもりです。また、現在も劇団に籍を置いて、発声法などを教えています。

Q パートタイマーで店長を担う大変さは?

 現在の勤務時間は1日5時間から6時間程度です。管理職だからといって、誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで会社に残る必要はないと思います。頼りになる3名のリーダーによく相談しながら進めています。
当社の販売職は、学生アルバイトや主婦パートが多いので、シフト調整が複雑です。試験やお子さんの病気による緊急事態などには、販売職のリーダーやスタッフとLINEで情報共有しながら対処します。
 店長になってから、スタッフの意見を聞くことが多くなったように感じています。相手の長所を活かすことを考え、良好なコミュニケーションを心がけています、現在妊娠中のスタッフをはじめ、誰もが長い期間勤めることができる環境を作っていきたいと思います。

Q 仕事と家庭の頭の切り替えの秘訣は?

 働いている時は子どもと離れています。離れる時間があるからこそ、一緒にいる時間の大切さを感じることができるともいえます。仕事と家庭の両方があるから、心身の健全なバランスが保てると感じています。

Q 長い職歴の中でやり甲斐を感じた瞬間は?

 店長としてクレーム対応する機会も多くなりましたが、先日のクレーム対応で誠心誠意対応した結果、「誠意を感じました、また行きます」とお許しをいただき、再度ご来店下さった時にはとてもうれしく、安堵感がありました。人の優しさと温かさに触れることが接客業の醍醐味かもしれません。また、少し前の話になりますが、お客様アンケートで「笑顔が素敵でした。また来ます。」と、私の名前をあげてお褒めの言葉をいただいたことも、長く励みとなっています。お客様との出会いの中で経験したひとつひとつの出来事が今の原動力につながっています。

Q 社内に信川さんのロールモデルはいますか?

 昨年退職された前三田本店店長が、私のロールモデルです。私より少し年上の女性店長の背中から多くを学びました。私の出産後に復帰を待っていてくださり、店長への登用も彼女の推薦です。管理職としての働き方だけではなく、菓子販売のスペシャリスト「ヴァンドゥーズ」の道筋も示してくださいました。「ヴァンドゥーズ」とは幅広い知識と専門の技能を持ち、おもてなしの心でお客さまに喜んでいただくことを何よりも大切に考える菓子販売のスペシャリスト資格です。当社でも私を含めて5名がヴァンドゥーズ資格を持ち、誇りを胸に毎日働いています。

自分自身の経験を共有してスタッフを育てたい

Q 今後どのようなことを目指したいですか?

 私のロールモデルである前店長は、現在ヴァンドゥーズ協会チーフテクニカルリーダーとして普及啓発活動を実施しています。私も経験を活かして、よりよい接客術の向上をスタッフに伝えたいと考えています。それには「ヴァンドゥーズ」の資格取得とともに、演劇で培った表現や発声、立ち居振る舞いが役立ちます。スタッフ自身がストレスを感じた時の発散方法としても、声を出すことや体を動かすことが重要だと思いますので、今後、社内研修を企画し講師として手法を伝える予定です。

Q これから育児休業をとり、その後も活躍したいという人にエールをお願いします。

 女性が働き続けるには、周りの協力が欠かせません。職場では、上席との相談と同様に同僚とも相談を重ねながら工夫することで、全てを一人で背負う必要がなくなります。仕事の中で、それぞれのスタッフが持っている個性を上手に組み合わせて発揮することや、コミュニケーションを取っていくことはうまく仕事を進める上でとても大切だと思います。そのためには、人の良い面を見つけるだけでなく、是非とも自分の良い面も見つけていただきたいと思います。完璧を目指し過ぎず、上手に手を抜きながら、バランス良く仕事をしていただければと思います。