インタビュー紹介

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土肥 玲子さん

土肥 玲子さん

山忠商事株式会社
総務部長
中小企業でもできる!強みを活かす!

会社情報

山忠商事株式会社
【所在地】丹波市柏原町南多田478-1
【事業内容】卸売業
【従業員数】8人(女性5人、男性3人(平成30年2月末時点))

中小企業でもできる!強みを活かす!

 昭和38年創業以来、地元丹波に根ざし、家畜飼料の販売、丹波の特産品の販売等に取組む山忠商事株式会社。昨年、社員8人の中小企業ながら女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、社員全員が定年まで元気に楽しく働ける会社を目標に取組みを進めておられます。

 そんな山忠商事株式会社で唯一の管理職として実務を一任されている土肥さんに仕事への取組み方や中小企業ならではの強みを活かす取組み等について伺いました。

仕事に対して正解を持たない

Q仕事と子育て・介護の両立はどうされていましたか。

 子どもが幼稚園入園と同時に地元の企業にパートとして就職し、小学校入学と同時に正社員としてフルタイムで働き始めました。山忠商事株式会社には、子供は大学を卒業してからお世話になっております。子育てについては、義母の協力のおかげで苦労はありませんでしたが、ここ数年は介護の大変さを感じています。

 もともと障害者の父親を、初めは母親の力も借りながら在宅で介護していましたが、会社近辺の施設へお世話になることができたため、今は帰宅途中に寄っています。ただ、繁忙期は会社の帰りに寄ることが難しいため、会社に無理を言って早めに昼休みをとらせていただき、ご飯を食べさせに行っています。また、自宅から会社まで車で1時間かかることもあり、母親の通院などは介護休業を分割取得をさせていただいてます。会社のみんなには本当に助けてもらっています。このように会社のみんなの思いやりと協力で社員一人一人に応じたケアができることも中小企業の強みだと思います。

 ただ、うちのような小さい会社は余剰人員がありません。1人でも休むとすぐに業務に支障をきたすため、全員でカバーする必要があります。そのためにも社員全員が情報を共有し、助け合える職場になるよう積極的にコミュニケーションを取っています。私から相談することも多く、助けられる事がたくさんあります。

 山忠商事株式会社は、育児休業取得の実績はありますが介護休業の取得実績がありませんので、私がモデルとなり、山忠商事株式会社は定年まで働ける会社だということをアピールできる実績を作りたいと思っています。

Q仕事をする上で気を付けていることはありますか。 

 私が仕事をする上で一番心がけていることは、自分の正解を持たないようにすることです。仕事の経験が増えてくると、ある程度先が読めたりこの方法が正しいと判断しがちですが、自分の正解を前提に話をすると、みんなの意見を素直に聞けなくなってしまいます。それでは進歩や改善は生まれません。年齢や経験で目線が違えば全く別の考え方もあり、私にはない考え方を勉強させられることも多々あります。

 どれだけ私が良いと思っていても、みんなが納得しないと絶対に行動には移せませんし、やらされているのでは継続できません。まずは相手の考えや思いを聞くこと、質問する際には、「はい・いいえ」で答えられる質問ではなく、「どう思う?」と聞くようにしています。私が一方的に話をするのではなく、自分の考えや思いを自分の言葉で話してもらえるようにゆっくり時間をとるように心がけています。

仕事が大好き、社員は第二の家族

Q仕事への取組み方、考え方について聞かせて下さい。

 私は今まで様々な仕事をしてきましたが、仕事に行きたくないと思ったことは一度もありません。むしろ仕事が大好きです。仕事は、やり方や考え方ひとつで楽しくなり、工夫次第で充実感も与えてくれます。今の仕事は、とてもやりがいを感じております。仕事がうまくいった時や誰かが落ち込んでいる時にはみんなでご飯を食べに行き、喜びや問題を共有しています。今では会社のみんなが第二の家族のようです。

 私自身、山忠商事株式会社が大好きで、定年までお世話になりたいと思っております。うちのような中小企業は、まず社長のことを理解し好きになることが重要だと思います。「社長が言うならがんばらんとしゃあないな」と、みんなが笑って言えるような会社になることが私の目標です。

Q中小企業ならではの強みについて聞かせて下さい。

 私が考える中小企業の強みは、社長と社員の距離が近いこと、社員全員とコミュニケーションがとりやすいこと、情報共有がしやすいこと、頑張った成果がすぐに目に見えることだと思います。しかし、その分誰かが抜けると負担が大きい事も事実です。私の役割は、そこをカバーできるように全ての仕事に少しずつ関わり、社員全員の状況を把握する等のリスク管理をすることです。そして、社長の思いや考えをみんなに伝え、みんなが思っていても言えないことを社長へ伝えるパイプ役になることが重要な役割だと思っています。

 今はギリギリの人数で業務を行っていて、負担が大きくなるので出来ていませんが、以前は「コミニケ」という社内での勉強会を毎月実施していました。「コミニケ」では、仕事の目標設定や進捗状況を聞くだけに止まらず、会社運営等の勉強や失敗や問題点の原因分析等を行い、改善への議論を交わします。「コミニケ」を通してみんなのコミュニケーション能力を高め、社長へ自分の思いや考えを直接言える職場環境を作りたいと思っています。

やる気・意識・絶対できる!

Q これから管理職やリーダーを目指す女性にエールを

 私は仕事をする上で、とにかく行動を起こすことを大切にしています。たとえどれだけ良い事を考えていても行動に移さないと成果はでません。何事もまずは自分が実行するよう心がけています。今まで色々なセミナーや講習会に参加してたくさん勉強しましたが、全て実行するのはなかなか難しいため、必ず一つ実行しています。丹波市の地域セミナーを受講した際には、一般事業主行動計画を知りすぐに策定しました。うちのような中小企業で作る意味があるのかと言われましたが、会社やみんなにとって良い、役に立つと思ったことは積極的に取り入れています。みんなにとっては会社の規模の大小ではなく、働きやすい良い会社かどうかが大切だと思うからです。

 管理職になってからは、上から指示ばかりする口だけの上司にならないよう特に気をつけています。どんなに立派な事を言っても心に響かなければ、みんなの行動には反映されません。良い時も悪い時も自ら率先して行動することで、私の姿を見て何が伝えられるか、何を学んでもらえるかだと思っています。とにかく私自身がやりがいを持って元気に楽しく働くことが手本になればと思います。どんな時でも私がやるんだと言う強い気持ちと意識を継続すれば、必ず成果に繋がると信じています。

 「やる気・意識・絶対できる!」を合言葉に、これからもみんなと力を合わせて目標に向かって取り組んで行きます。