インタビュー紹介

PC131433 (トリミング)画像
本郷 温子さん

本郷 温子さん

株式会社阪技
総務部業務課主任
「一人ひとりの良さを活かして活躍してほしい」

会社情報

株式会社阪技
【所在地】兵庫県高砂市荒井町東本町19番23号
【事業内容】発電プラント、タービンや大型冷凍機における設計、生産技術、品質技術、システム開発のトータルソリューションサービスおよび生産管理システムにおける技術サービスを提供
【社員数】235名(男性92名:39.1%、女性143名:60.9%)(令和4年11月時点)

「一人ひとりの良さを活かして活躍してほしい」

 株式会社阪技は、1981年阪急技術工業株式会社として設立、2005年に現在の社名となりました。発電プラントや原動機の設計、生産技術、品質技術、システム開発など、一連の流れに対応した技術サービスを提供しています。働きやすい環境と革新を進める技術により、社員、お客様、地域と社会それぞれが「よし」とする企業を目指しています。

 今回は、総務部業務課主任として、採用をはじめ従業員の教育や労務関係、会社の広報等幅広く活躍する本郷さんにお話を伺いました。

顔を突き合わせた会話を大切に

Q.これまでの経歴を教えて下さい。

 大学卒業後、貿易会社で6年ほど勤めました。その後、通勤の負担が少ない会社を求めて転職活動をし、入社したのが株式会社阪技です。

 阪技には、自社の教育センターがあります。これは、社員にはその人の良さを活かして長く働いてもらいたいとする社長の想いから設立されたものです。私もまずはここで会社の理念や人間教育、OA操作等、約5ヶ月間の研修を受けました。実はこの期間は、社長をはじめ社内の担当者が入社した社員の適性を知る期間でもあります。この研修期間を経て私は、総務部配属となりました。採用関係の仕事に携わることで会社のことを広く知った後、会社の理念を伝える立場になる、という役割に適性を感じてもらえたのかもしれません。配属後は採用関係を中心に、教育、労務関係、広報等の業務を担ってきました。2016年に主任の話をもらい、役職に就きたいという思いはなかったのですが、挑戦してみようと思い引き受けました。

Q.働く上で心がけていることや力を入れている事はありますか。

 仕事を始めたばかりの頃はすべてが新鮮で楽しい毎日でしたが、当時より社員も増え、さらに主任となった今、役割も変わりました。例えば部下の教育に関して言うと、私自身がこれまでの経験を通して学んだこと・失敗したことを部下に細かく言葉で伝えていくことを心がけています。温度感や重要性を伝えるためにも、直接会話して伝えることを大事にしています。

Q.産休・育休などの制度について、社内の様子や感じることはありますか。

 入社時にはすでに産休・育休の制度が整っていたのですが、休暇から復帰した社員にやりがいを持って長く活躍してほしいという想いから、2016年社内保育所が設立されました。少人数制で食育や英語教育もあり、人の成長を願う社長の想いがここにも表れています。私も利用しているのですが、会社から近いので出社直前や退勤後もすぐに子供に会えるのは嬉しいことです。

限られた時間の中で働き方を工夫する

Q.入社し、産休・育休をとって復帰されています。仕事の面白さや取り組み方など、変化はありましたか。

 現在までに転機となった出来事が3つありました。一つ目の転機は、転職した時です。事務職として入社した私が、採用業務に携わることは想像もしていませんでした。しかし仕事をする中でやりがいと誇りが生まれました。会社の理念である『その人の良さを見つけて、良さを活かせる場所で活躍してもらいたい』という考えを、身をもって実感させてもらったのです。その後、役職に就いた時が二つ目の転機です。自分一人で仕事をするのとは違い、部下へのフォローも大切な仕事となり、主任として反省することも多く、自分の課題が明らかになりました。しかしこれは仕事を続ける上で良い機会となりました。三つ目の転機は、産休・育休から復帰した時です。これは今までの仕事生活で一番大変でした。短時間勤務を選択したのですが、はじめは、フルタイム勤務時と同じ感覚で仕事をしていたのです。そのため時間が足りないのに空回りし、仕事の効率も悪いものでした。そんな経験から、限られた時間の中でいかに生産性をあげて働くのかを学びました。例えば阪技では、新卒入社者は入社2年間残業禁止、キャリアも教育期間中は残業禁止としています。若い時こそ自分の時間を大切にしてほしいという想いがあり、さらにこの制度を通してタイムマネジメント能力を養ってもらっています。このタイムマネジメント能力は産休・育休復帰後の短時間勤務にも必要な力であり、この制度の重要性を改めて感じました。

Q.部下とのコミュニケーションで心がけていることはありますか。

 日々の雑談も含めてできるだけコミュニケーションをとっています。立場上、指導することも多いですが、過去は穏やかに諭すことをしていましたが、今は、やってはいけないミスや、会社として大事にしている事から外れているという場合には、本人のためを想って、自分が嫌われ役になってでも厳しく指導するようにしています。

人として大事にするべきところを大切に

Q.今後のご自身としての展望や、会社としての展望はありますか。

 今の会社に来て、仕事の本当の楽しさや大変さを実感することができました。そのような経験をくれた会社や社長、周囲の人達のために、自分の良さを活かして役立てるように、これからも精一杯やっていきたいと思っています。また2022年11月、神戸市に拠点を構える企業6社による「女性リーダーキャリアアップ勉強会」が始まり、第一回目に参加しました。どんな人が集まるのかと緊張していたのですが、話してみるとリーダーとしての悩みは共通なんだとわかりました。これから2年間にわたり定期的に勉強会が開催されるということで、楽しみにしています。

 会社としての展望は、社長がいつも、「僕が言うことは全然変わっていなくて、どれも同じ」と言うのですが、それぞれの良さを活かしてその人に活躍してほしい、人がすべて、という考えが軸にあります。

 会社を大きくすることを目標にはしておらず、入社してくれた人を大切に育て、良さを活かして長く活躍してもらいたいと考えています。その中で、IT人材育成のための教育強化や、学生やスタートアップ・アジアの方との人的交流を目的として沖縄那覇イノベーションオフィスを設立するなど新しい取り組みを行っています。様々な方と交流することで、新しい発想・知見を得て業務に活かし、イノベーションを起こしていく。そして、どんどん人の良さを活かした活躍の場所を広げることを考えています。

Q.これから管理職を目指す女性や働く女性へのメッセージなど

 リーダーと聞くと、皆を引っ張り、リーダーシップを発揮せねばらならないという先入観がありました。しかし私はどちらかというと、部下や後輩をフォローし、支えられる存在でありたいと思っています。自分に合ったリーダーというのを描いてもいいのではと思います。

当社では、伸びる人の共通点として、7つの項目を挙げています。

【伸びる人の共通点】

1.素直であること 2.好奇心旺盛であること 3.諦めないこと

4.準備を怠らないこと 5.几帳面であること(きっちりしていること) 

6.気配りができること 7.夢を持ち目標を高く設定することができること

振り返ると、私自身この7項目を大切にしているなと感じます。人として大事にするべきところを大切にしていくと良いのではないかと思っています。