インタビュー紹介

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杉谷 志穂さん

杉谷 志穂さん

株式会社エマーテック
統括部統括部長
「部長職と子育てを両立して、企業の成長に貢献する」

会社情報

株式会社エマーテック
【所 在 地】神戸市中央区京町76番地1 明海三宮ビル6F
【事業内容】各種情報処理システムに関する設計、開発、運用、保守業務 等
【従業員数】43名(女性11名、男性32名(令和2年4月1日現在))

「部長職と子育てを両立して、企業の成長に貢献する」

 WEB分野を中心にビジネスの現場で活用する業務系システムから工作機械制御システムまで幅広いシステムの受託開発を行う株式会社エマーテック。「気持ちをつなぐ新たな技術を提供する」提案型のSE集団として事業拡大しています。勤務歴17年の杉谷志穂さんは、短時間勤務をしながら統括部長を務めていらっしゃいます。子育てと部長職を両立する杉谷さんにお話を伺いました。

これまでの経歴を教えてください

 就職氷河期の中、在学中にアルバイトで入社した会社で、正社員雇用を目指していましたが、事業縮小のため、短期間で退職。その後、正社員雇用を目指し、元々興味があった営業職として、派遣会社に入社しました。そして、人材派遣の営業スタッフとして飛び込み営業していた時に、今の社長と出会いました
 当時は、起業後10年が経過しワンマン経営から組織作りに着手した頃で、社長が行っていた営業業務を補佐する人を探していました。情報系企業に興味はありましたが、技術職で働く姉のハードワークを見ていましたので、自分には務まらないと就職先候補から外していた業種でした。ただ、営業職でのお声掛けだったため、思い切って24歳で入社しました。
 入社時は全社員10名程度だったので、営業や経理サポート、社長補佐など業務は多岐にわたりました。中には「クライアント企業を訪問し、直接お客様のニーズを拾ってくる」という仕事もありました。わからないことばかりでしたが、社長を含め相談しやすい社風であったことと、社長が社員を信頼し、仕事を任せてもらえたため、何とか乗り越えられ、今に至っています。

子育てとキャリアの両立で、何か工夫をしていますか?

 私が、当社の結婚・出産・育児休業取得の第1号です。現在は2人の子どもの子育て真っ最中で、短時間勤務歴も10年以上になります。子どもがいることで昇進しない時期には、悔しさを感じることもありましたが、今は子育てを優先する時期であり、「仕方がない」と割り切っていました。一方で、短時間勤務でも日帰りの東京出張もこなしました。上司は「乳飲み子がいるのに長時間の出張は大丈夫か?」と心配しましたが、「結果に繋がる」と確信して実行し、結果を出せました。自分と同じ事を後輩にしてほしいとは思いませんが、一見難しそうに思えることも、自分がやりたいと思うことは主張し、行動してみるものだと考えています結果、会社から仕事内容を認めていただき、短時間勤務しながらも統括部長職を任せていただいているのだと思います。子育てしながらも昇進できるということを、後輩に示せていればいいなと思っています。

~思いは言葉に 仕事も子育ても会話が大切!~

仕事でこだわってきたことはありますか?

 相手が何を求めているのかを聞き出すために、会話を大切にしてきました。
 技術職の社員は営業が専門ではありませんので、私が営業職として、埋もれたニーズをお客様より聞き出して、お手伝いできることを提案してきました。社外的には、女性であることが有利だと感じることのほうが多かったように思います。この業界は男性が多いので、営業先の印象にも残りやすかったのかもしれません。入社当時は担当者だった方が、現在は役職に就かれている方もいらっしゃいますが、築いてきた関係は今も続いています。
 統括部長職としても、部下の育成に会話を重視しています。女性、男性の区別なく、その人が持つ「できる素質」を見つけて認め、それを伝えることで当人のモチベーション向上につながれば、と期待しています誰でも他者評価がないと頑張れないと思います。やっぱり、褒められるとうれしいですよね。

仕事と家庭を両立するうえで大切にしていることはありますか?

 夫が単身赴任で家事の分担が見込めないため、平日は近くに住む実母に応援をお願いしています。おばあちゃんの愛と見守りがあるとはいえ、親と過ごす時間が少ない寂しさを、子どもたちは感じていると思います。我が家では小さいうちから、母親が働くことの必要性やメリットを、子どもたちにわかりやすく話して聞かせてきました。たとえば、「お菓子や本を買うにはお金がいるよね」「好きな進路を選ぶためには教育費が必要になるんだよ」など、母が働くことを具体的にイメージできるように説明するように心がけました。今では働くことに理解を示してくれています。やはり「会話」が大事だと実感しています。
 一方、仕事を残して帰らなくてはならない場合や、短時間勤務で自分だけ早く帰ることなど、同僚や部下への申し訳なさもあります。子育てする働く女性に、周りが理解を示して、気持ちよく接してくれることにとても感謝しています。

ストレスを発散するために何かしていますか?

 仕事に育児に「大変だな」と思うこともありますが、そもそも子どもが大好きなので、「子どものために頑張ろう!」と思えば大抵のことは乗り越えられます。あえて挙げるとすれば、泣ける映画を観ることでしょうか。思いっきり泣くと意外とスッキリします。 
 また、通勤時に好きな音楽を聞くのも気分転換です。仕事モードとお母さんモードを切り替えるようにしており、実際に「お迎えに行く間に表情が変わっている」と言われたことがあります。

これから取り組みたいことはありますか?

 入社当時は10名程度であった社員数も現在では43名となり、名古屋にも営業所ができ、毎年新規社員も採用しています。当社は、さらなる企業規模拡大を目指していくのか、規模を維持して事業内容を精査し深めていくべきか、の岐路に立っています。統括部長として、経営陣とともに企業の行く末を描くために、組織作り、人財育成などのなすべきことについて考えを巡らせています。
 また、ワーク・ライフ・バランスと健康経営にも取り組んでいます。残業が当たり前の風潮では、若手のモチベーションはあがらないので、残業が抑制できるように働きかけを行っています。
 私個人の営業目標としては、WEBサイトの構築から運用まで一元管理できるコンテンツマネジメントシステムを活用し、企業のホームページ制作はもちろんのこと、企業内システムと連携した新たなプラットフォームの提案を、新たなビジネスプランにしたいと考えています。新しい企画を考える時は幸せを感じます。

これから管理職を目指す女性にエールをお願いします

 仕事でも子育てでも、何事も目標を定めることが大切だと思っています。そして、自分が「やりたい」と思ったことは我慢する必要はないと思います。自分を信じて頑張っていればいつかは報われます!
 そして、女性部下を持つ管理職にお願いしたいことがあります。女性が管理職を打診されたときに断るのは、突然であり、先が不安だからだと思います。日ごろから「あなたはリーダーに向いている」「タイミングが合えば管理職だよ」と言い続けてください。褒めない上司の下では部下は育ちませんが、私が経験したように、上司が認めて任せてくれると力を発揮できるように思います。