インタビュー紹介

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宮田 絵美さん

宮田 絵美さん

株式会社ダイハツビジネスサポートセンター
コーポレート室ダイバーシティ推進担当 主任
誰もが能力を最大限に発揮できる職場に

会社情報

株式会社ダイハツビジネスサポートセンター
【所在地】伊丹市北伊丹9-37-2
【事業内容】サービス業(自動車開発支援、自動車用品等販売、人材派遣、施設管理、清掃、警備等企業サポート)
【従業員数】749人(女性295人、男性455人(平成28年6月末時点))

誰もが能力を最大限に発揮できる職場に

 株式会社ダイハツビジネスサポートセンターは、自動車の開発支援、自動車用品や販売促進グッズの企画・販売から、人材派遣、施設管理、清掃、警備、保険等ダイハツグループを中心とした企業サポートのための多彩なサービスを提供しています。同社のコーポレート室で、女性社員活躍に携わる宮田絵美さん。現在は、企業内保育所整備プロジェクトなど、女性社員が一層活躍できるよう、環境づくりを進めておられますが、「将来的には、ダイバーシティの取組に発展させたい」と熱く語ります。そんな宮田さんに、仕事への思いや普段から大切にしていること、女性へのメッセージなどについて、お話を伺いました。 

女性がいきいきと働ける環境づくり

Q 現在の会社で働く前は公務員だったそうですが。 

 大学院で国際法を学び、グローバルな視点で仕事をしたいと考えていましたが、生まれ育った都市の国際的知名度の向上に貢献したいとの思いから、市役所に入庁しました。入庁後、英語の勉強をつづけながら、様々な部署を経た後、自ら希望して港のにぎわいづくり、外国客船誘致の担当になりました。重点施策になる仕事でとても充実感を感じていましたが、気づかないうちに責任も重く感じるようになりました。その頃に結婚した夫も多忙で、互いに仕事優先の生活に疑問を感じていましたし、次第に身体的にも精神的にも負担を感じるようになりました。
 休職してしばらく考えてみるという選択肢もあったと思うのですが、「自分の人生は自分で切り開いていきたい。」と考え、退職を決断しました。その時の私の決断を尊重し、後押ししてくれたのは、夫の存在でした。

Q 現在の会社ではどんなことに取り組んでいますか。 

 その後、現在の会社に再就職することができました。当社は、業務内容が非常に多岐にわたるため、様々な能力を持った個性的な社員が多く在籍しており、経営上、多様な人材がパフォーマンスを発揮できる環境づくりが重要になります。
 また、社長から、「子会社という立場に甘えず、主体的・自律的に業務に取り組んでほしい」とお言葉を頂いたことがあるのですが、私も常に、「主体的」ということを意識しようと考えています。こうした社の状況や方向性が、私の興味や信念と一致していると感じています。
 現在は、女性社員の能力向上と働き続けられる環境の整備を目指し、女性社員研修の強化や企業主導型保育所整備のプロジェクトに携わっています。労働市場が縮小していくなかで、人材確保は企業の成長に不可欠ですので、こうした経営課題に経営視点で取り組むことができることに、非常にやりがいを感じます。女性社員がキャリアと育児の選択に悩まないよう、両方を叶えられる環境づくりに貢献したいと思います。

     オフィスはフリーアドレス。主体的な仕事の進め方を推進。

常に主体的に「どうしたいのか」を考える

Q 今後はどんなことに取り組みたいですか。 

 私も含め、40代は、育児や介護を担いながら、残りの20年余りをいかに頑張っていくか、モチベーションや体力の維持とバランスを図ることが難しい年代だと思います。現在、コーポレート室では女性活躍に取り組んでいますが、今後はこうした世代ごとの支援などにも目を向けながら、人材活用の更なる充実を目指し、ダイバーシティの取組に発展させていければと考えています。
 また、自身のスキルアップのため、現在、キャリアカウンセラーの勉強をしています。研修を通じて、カウンセラーの役割は、相談者に助言を与えることはもちろんですが、相談者が自ら課題を解決できるよう、「気付き」を与えることが、むしろ必要なのだと感じています。大事なことは、常に自分主体で「自分がどうしたいのか」ということを考え、主体性を促すことだと思います。
 今では、結婚・出産後も働き続けることが当たり前の選択になりつつありますが、育休復帰後、モチベーションが上がらない方も、多くいらっしゃるのではないかと思います。既存の道すじをなぞるのではなく、自分自身の意思を大事にしてほしいと思いますし、こうした人生の選択に際しての手助けができればとも思っています。

Q 生活の中で自分を成長させるために大切にしていることはありますか。 

 仕事は好きなのですが、思いつめず、常に新しい視点や多様な可能性を意識しながら取り組むことが大切と考えています。そのため、趣味でリフレッシュを図ることは、私にとって必要なことです。英会話は昔からやっていて、スカイプで他国の方と会話したり、洋書を読んだりするのが好きです。日本語だと、つい余計なことに思考を巡らせてしまうのですが、普段使いなれない言語だと思考回路がシンプルになりますので、とても気分転換になります。
 また、最近通っているキャリアカウンセラーの研修は、仕事で義務的に参加する研修と違って(笑)、自主的に参加する研修は参加する人の意識が高く、とても刺激になりますし、多様な価値観に触れることができ、得るものも多いので、これらの人とのつながりや、交流を大事にしたいと思っています。

目的志向でキャリアを描くことの意識

Q 宮田さんにとってのロールモデルとは。 

 日頃から、誰もが持っている「いいところ」から、学んでいきたいと思っています。そういう意味では、私にとって、ロールモデルは一人ではなく、たくさんいるのですが、キャリアをスタートさせた市役所時代の女性の先輩職員は、私の原点というか、核になる存在です。非常に目的意識の高い方で、雑用やルーチンワークであっても、「目的」や「本質」を見出すことにより、一つ一つが大切な仕事であることを教えてくれました。
 女性の生き方や価値観は多種多様ですので、ロールモデルも多いほうがいいと思います。私もできる限り交流の輪を広げ、多くの方から刺激を受け、成長していきたいと思います。

Q 女性の管理職についてどう思われますか。 

 現在の女性活躍の流れの中では、女性も管理職を目指すことが望まれています。ですが、管理職に求められる能力や果たすべき役は、実際には企業・組織によって違います。自分の「やりたいこと」や自分自身の人生の目的が、管理職になることで実現できるのであれば良いのですが、そうでなければ、会社と自分の思いにギャップが生じてしまうかもしれません。
 しかし、現状では、企業の多くは、女性社員は多くても管理職の女性は少数です。そのこと自体も問題ですが、社員の評価者でもある管理職に女性が少なければ、女性社員の働く環境もなかなか改善されないと思いますので、こうしたことからも、会社の方針決定や施策などを決定するプロセスに、今以上に女性が参画していかないといけないと思っています。

Q 女性へのエールをお願いします。 

 若い頃から長期的な視野で、自分のキャリアを描くことを意識してほしいと思います。女性のライフスタイルは多種多様です。その中で「自分らしさ」を大切にして、自分は何を実現したいか、常に「自分は今どうしたいのか」を問いかけていれば、今やるべきこと、将来に向け備えておくこと、目的を実現するための手段が見えてくると思います。
 ただ、道のりは平たんではないかもしれません。趣味や人との交流を通じていろんな世界につながって、価値観が広がれば、可能性も広がると思います。つまずいても、いろんな人の助けを借りながら、また前に進んでいけばよいと思います。そうしたしなやかさを高めながら、自分らしくいきいきと輝いてほしいと思います。