インタビュー紹介

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小野田 かをる さん

小野田 かをる さん

兵庫信用金庫
業務部 経営サポート室 課長代理
ひとつひとつの積み重ねが、組織や地域の貢献に繋がると信じて

会社情報

兵庫信用金庫
【所 在 地】姫路市北条口三丁目27番地
【事業内容】預金業務、貸出業務、                                            内国・外国為替業務、有価証券投資業務
【従業員数】526人
 (女性215人、男性311人
 (平成30年12月末時点))

ひとつひとつの積み重ねが、組織や地域の貢献に繋がると信じて

 姫路をはじめ、県内の瀬戸内沿岸地域を中心に本支店を置き、地元密着型の金融機関として親しまれている兵庫信用金庫。同庫の業務部経営サポート室でお客様の本業支援業務に携わり、「お取引先企業と一緒に経営の課題を整理し、事業発展へのご支援や、そこに努める従業員様の職場環境改善への取組をご支援することは、地域貢献に繋がります。」と熱く語る小野田かをるさん。
 課長代理としての業務も「私らしく」こなし、業務終了後は、趣味でしっかりと気分転換。キャリアを積み重ねながら充実したライフとワークを過ごされる秘訣と、次に続く方へのメッセージなどについて、お話を伺いました。

常にひとつ上を目指すことで目標を達成

Q現在の仕事場を選んだ理由について教えてください。

 今だから話せることですが、当時の私は、信用金庫と銀行との違いすら理解していませんでした。ご縁を頂いて一般職として入庫し、明石市内の店舗への配属となりました。初めの3年間はテラー(窓口業務)を経験し、楽しく接客業務をこなしました。
 その後、人事制度の変更により、管理職を目指す総合職と、上司の指揮により職務を行う業務職に分かれ、私は業務職を選択しました。現在も女性職員の約8割が業務職を選択していますので、私も業務職として勤務することは、ごく一般的な選択だったと思っています。
 ただ、メンターにあたる方から「業務職でも等級のひとつ上の資格を持っていないと役に立たない。」と言われ、お客様と向き合うには、しっかりとした知識が求められることを学びました。この教えを長く守りながら積み重ねたことが、今の私の核となっています。

Qこれまでの経歴を教えてください。

 これまで社会人として過ごした25年を振り返ると、上司や同僚に恵まれていたことを改めて感じます。2つ目の配属先となる東加古川支店の上司からは、総合職としても通用する資格の取得を求められました。融資係に配置された時は、男性の主な担当業務となっていた案件への取組方針の決定や担保調査といった手続きをさせていただきました。こつこつと日々の業務と資格取得を積み重ねた結果、入社5年目に「消費者ローン最優秀賞」をトップで受賞することができました。 
 この賞はそれまで業務職の女性の受賞はなかったので、大変嬉しい気持ちで頂きました。ただ、「業務職という枠ではなく、金融マンとして通用する」ことを意識していた為、この栄えある賞も通過点の一つにしか過ぎなかったですし、その後も目の前にある課題と向き合う努力を重ねました。
 そして、入社9年目に六甲支店に配属となりました。この時期に、当時の総合職と業務職の昇格要件となる資格は全て取得していたことから、上司から公的な資格の取得を薦められ、社会保険労務士の資格取得を志すことになりました。なぜ、社会保険労務士を目指したかと申しますと、私どもの信用金庫のお取引先は中小企業が中心で、そういったお取引先に対し社会保険労務士の知識は、漠然と悩みを抱える企業に何らかのスパイスを添加するのに役立ち、その組織や従業員を守るためのお役に立てるのではないかと思ったからです。いざ勉強を始めてみると、予想以上に高い壁でしたが、社会保険労務士試験の合格後、特定社会保険労務士としての資格も取得することができました。常にひとつ上の目標を持って取組むことは、何事においても大切だと感じています。
 神戸中央支店など14年間の支店勤務を経験し、人事部へ異動。採用活動や労務管理手続き、就業規則などの人事規程作成・改定に9年間携わりました。現在は、お取引企業の本業をご支援する経営サポート室に所属しています。

Q順調な職業人生を歩んでおられますが、ご苦労は。

 入庫当時から女性の活躍にスポットが当たっていると、私自身は特に感じていません。兵庫信用金庫に勤務している女性は、個々の個性と実力で、それぞれ今の役割が与えられていると思っています。私について申し上げれば、与えられた仕事を私なりに工夫して料理し、楽しみながら味わう(こなす)姿勢を上司は見てくださっていて、都度少しレベルの高い仕事が与えられていた様に感じます。経験を重ねるにつれ、重い内容の仕事も増え、与えられた瞬間は仕事の塊が大きく見えるものもあります。けれども、感情的にならず冷静に考えながら紐解いて見ると、どの仕事も細かく区分けすることができます。パワーをかけずに簡単に済む作業や、期限が違うもの、同僚の助けを求めることができるものなどがあるので、焦らず丁寧に下ごしらえの作業に取りかかりながら、仕事を進めるように心がけてきました。
 区分けをした仕事は、単純作業で済むものは隙間の時間に片付け、集中して考えたいものは、「朝活」と称して、職場に人が少ないなるべく早い時間に進めるなど、時間の使い方は特に気をつけるようにしています。配属先によっても違いますが、支店ではお客様対応が中心ですので、「すぐに」対処すべきことが多くなる一方で、人事部では期限に猶予があるものの、仕事の量が多かったので、この仕事の進め方は人事部時代の9年間にとても有効だったと感じています。いずれにしても、仕事を進める過程で焦りを解消することができ、落ち着いて仕事に取組むことができました。

仕事も趣味も主体的に考え、「どうればよいのか」考える

Q仕事の中で自分を成長させるために大切にしていることを教えてください。

 環境の変化があると、私はかなりストレスを感じてしまいます。転勤や担当係の変更は一時的にしんどくなる時期がありますが、少しでも早く環境に慣れるように工夫をしています。
 例えば、初めてする仕事は、以前より担当している方の方が詳しいのは当然なので、男女や年齢、役職に関係なく、その方の知恵を拝借しながら自分の考えを加えて仕事を完成させていきます。うまくいかないことがあった時は、「どうすれば解決できるか」主体的に考え、環境や他人のせいにしない様に心がけています。どこの部署に転勤してもその繰り返しではないかと思っています。

Q忙しい中で、私生活とのバランスはどのように取られていますか

 仕事が終わった後の時間も大切にしているため、常に定時退社を心がけています。特に業務終了後に予定がある時などは、予め周囲の方に「帰る」宣言をしています。いくら努力しても、周囲の協力なしでは、定時退社の実現が難しいこともあります。ここでも、周りに配慮しながらも「主体的に」自分のスケジュールをお伝えするようにしています。
 また、10年区切りで新しいことに挑戦しています。最近では40歳の時に一念発起し、大型バイクの免許を取得しました。バイクは、車よりも運転に集中することが求められるため、一人で運転に集中することは気分転換になります。週末に夫や友人とツーリングを楽しんだりしますし、未知の分野に進むことで新しい友人に出会え、世界が広がって行くことが楽しいです。

Q家庭円満の秘訣について教えてください

 社会人4年目で結婚しました。結婚当初から、我が家では「家事は女性がする」といった様な、性別役割分担意識が無く、早く帰った方ができる範囲で出来ることをするという考えでここまで来ています。就労継続についても、意見を言われた記憶はなく、自然の流れで今まで仕事を続けてきました。
 夫の存在を一言で表現すると「最上級の友人」という言葉でしょうか。勿論配偶者なのですが、配偶者としてだけではなく、その時々に様々な役割を果たしてくれています。私という人間を理解してくれる唯一無二の存在だと思っています。

不安に対する一番の特効薬は「経験」を重ねること

Q女性の管理職昇進についてどの様に思われますか。

 当時の上司にお声かけいただいたことがきっかけで、私は約2年前に総合職へコース転換をしました。総合職となれば管理職への道を歩むことができ、組織の意思決定に参画することができます。これは組織に身を置く人間にとって夢があり素晴らしいことですが、管理職となり決定権を持つことだけを目標とすることはないですし、過度に周囲の期待に応えようと頑張りすぎる必要もないと思っています。
 私が総合職になり関わりをもった97社の経営者の方の考えを伺っていると、女性の活躍はまだ発展途上だと感じます。もし経営者の方が「彼女にやらせてみよう」と挑戦するきっかけを与えてくれたら、是非挑戦して欲しいと思いますが、無理せず自然な流れで進めて頂きたいと思います。
 私は総合職として今も手探りですが、環境や立場が変わる度に、新しい世界が見えて、多くの新しい出会いに刺激を受け続けています。今の私があるのは、「女性」としてではなく、金融マン・組織の一員として、お客様と職員のために、目の前の課題にただ懸命に取組んだ結果だと思っています。ですので「女性活躍」という言葉には、若干の抵抗がありますが、男女や年齢に関係なく「私らしく」頑張った結果に、管理職という肩書きがついてくれば嬉しいのではないかと思います。

Qこれからの抱負をお願いします。

 今は、組織をどうしたいという思いより、より多くのお取引先企業やその従業員の皆様の「働きやすい職場環境づくり」のお手伝いをしたいという思いが強いです。立場が変わることで考えも変わってくるかも知れませんが、これから先も地域に根ざした組織の一員として、また社会保険労務士としての責務を全うしたいと考えています。

Q続く女性へのエールをお願いします。

 新しいことに挑戦することは誰でも不安ですし、環境の変化はストレスの原因となります。ただ、不安や緊張を和らげる一番の薬は「経験」することだと思っています。
 今まで経験したことのないレベルの高い仕事や環境を与えられる度に緊張しますし、ネガティブな感情も出てくるものですが、食わず嫌いにならずに、どんなことでも一度は味わって(経験して)みて欲しいと思います。挑戦した結果、美味しくない(苦手な)こともあるかも知れませんが、美味しくないと知ることも経験です。経験を繰り返すことで、人は終わりなく成長できるものだと思います。例え経験したことのない難しい仕事が上司から与れても、それは、あなたという人柄を見込まれ、ご縁があって目の前に来るものです。どうぞ調理して召し上がってみてください。そして、その中に「私らしさ」というエッセンスを少し加えると、あなただけの素晴らしい仕事になると思います。