インタビュー紹介
小倉 里奈さん
アスカカンパニー株式会社
評価センター部門責任者
「コミュニケーションから、新しいアイデアで業務改善」
会社情報
アスカカンパニー株式会社
【所在地】兵庫県加東市河高4004番地
【事業内容】医療・分析・食品・コスメティック・トイレタリー・工業分野等プラスチック製品の開発、製造、販売
【社員数】正社員214名(男性134名:63%、女性80名:37%)(令和4年6月時点)
「コミュニケーションから、新しいアイデアで業務改善」
アスカカンパニー株式会社は、医療・分析・食品・コスメティック・トイレタリー・工業分野と多岐にわたるプラスチック製品の開発、製造、販売業として1968年に創業し、「人々が成長し社会に貢献できる場の提供」を企業理念として、「プラスチック産業の生産性向上」だけでなく、「楽に楽しく、正しく、早く、安全に(楽正早安)」をテーマにした改善で働きやすさの実現に積極的に取り組んでいます。
今回は、製品開発を行う評価センターの部門責任者として活躍する小倉里奈さんにお話を伺いました。
人間関係を理解し、構築する
Q.これまでの経歴、役職について教えてください。
入社は2000年です。ものづくりに興味があり、実家からも通えるこの会社に決めました。検査部門に入社したのですが、PCを使う仕事を希望していたところ、ちょうど育休を取得する先輩のポストが空き、「品質保証」部門に異動することができました。
品質保証部門は、製品の品質管理とものづくり全体を支える仕事です。その中でも主に原料の配合やコストを検討し納品までの工程を企画する、いわゆる製造過程のマスターを作成する仕事に従事しました。ここで3~4年間経験を積むことができました。
その後、2004年に今の評価センターに異動。前部署の経験を活かし、開発の経緯や工程を整理し見える化、他部署との連携がしやすいような仕組みをつくりました。この取組等が評価され、2008年に職長に就きました。
結婚、出産を経て1年間の育児休業後、総務部門に2年間所属。2006年に評価センターに戻り、現在は部門責任者として働いています。
Q.働く上で心がけていることは何ですか?
評価センターは他部署との連携が必要な業務のため、コミュニケーションを大切にしています。
例えば、製品開発のため工場に試作を依頼する際は、生産ラインを止める必要があります。生産工程が立て込む中での依頼であり、快く引き受けてもらうには丁寧な説明で理解を得ることがとても重要です。本社であれば、顔を知っている場合が多いのですが、東北など遠方の工場の場合、全く面識のない人に依頼することになります。設備などの情報や、キーマンは誰かなど人間関係をよく理解することを心がけています。
部下とは、一緒にお昼ご飯を食べながら他愛のない話をするなど、日頃から声をかけ、相談しやすい雰囲気づくりにつとめています。実際に相談を受けるととても嬉しいです。
新しい仕事でも意欲を持って取り組む
Q.子育てと仕事の両立について教えてください。
育休復帰後に配属された部署は女性が多く、急な休みが取りやすい等、環境に恵まれていたと思います。直属の上司は、社内で初めて育休をとった女性でした。「仕事と子育てを両立しながら働く」という道を拓いてくれたおかげで、自分も復帰し仕事ができていると思います。
私の部下はこれから結婚、出産する年代ですが、育休後も仕事を続けると考えているようなので、相談に乗っていこうと思っています。
Q.これまでの職業生活での転機、ターニングポイントについて
社内プロジェクトのリーダーに選ばれたときです。ロボットの導入に併せて資材の箱を変えるというプロジェクトで、「是非やってほしい」と上司に依頼されたのです。上司との半年に1度の「成長面談」で、自分がやってきたことの報告とアピールをしていたことが、プロジェクトリーダーに選ばれるきっかけになったと思います。何か成果として残せる仕事をしたいと思っていたため、「ついにきたか」という気持ちで、意欲的に取り組みました。初めてのリーダーで不安もありましたがやりたい気持ちが強かったのです。結果的に、このプロジェクトの成功がきっかけで、部門責任者になりました。また、兵庫県発明賞の受賞にもつながりました。
やる気があれば自分が成長し成果を出せる
Q.上司という立場となり心がけていること
成長面談を通じて、部下が課題だと思っていることや今後のキャリア、ビジョンなどを一緒に考え、把握するようにしています。私自身の経験から、自分の想いを伝え希望が叶うこともあったという経験がモチベーションアップにつながったからです。
やりたいことがわからないという人も、上司と話をする中で見つかることもあると思います。管理職になると視野が広くなり、会社の方針や新しい仕事など全体の情報を得ることができるため、「こういうのをやってみたら?」と部下に提案できると思っています。
Q.自信が持てないときのアドバイスなどお聞かせください。
当社は代表が身近な存在で、相談事をしていると、テーマになる提案を頂くことがあります。自分の業務範囲外のことが多いのですが、知らなかった分野の発見、理解につながると思い、まずは「自分の仕事としてはこんなことができる」など、何かしらのボール(回答)を返しています。それが実った経験が何度もあり、このことを部下にも伝えています。
自分に降りかかったことをマイナスではなくプラスで考え、自分ができることを回答する。答えが正しいか間違っているかより、まずは答えて前に進めていくのがいいと思っています。担当以外のことでも相談があるのはきっと、期待されているから、と前向きに考えてはどうでしょうか。
Q.管理職としての展望
部下に寄り添って仕事をし、助け合える雰囲気づくりを心がけていきます。
管理職になることで自分の会社に誇りを持てるようになりました。会社の進む方針の背景がよく理解できたり、就職希望者が増えていること等、外部からの評価を知る機会があるからです。
管理職は「しんどい」というイメージがありますが、会社をもっと知りたい人、成長したい人は管理職になった方がいいと思います。自分が価値のある会社で働いているという意識が芽生え、自分の責任や使命についても前向きに捉えられるようになったと感じるからです。
私は理系出身ではないですが、コミュニケーションを軸に、新しいアイデアで業務の仕組みを変えてきたことが自分の自信につながっています。「やる気があれば自分が成長し成果を出せる」と私を見て励みにしてくれれば嬉しいです。
自分の意見をきちんと会社に伝える
Q.モチベーションの維持のために普段していることはありますか。
デスクワークが多いため、ウォーキングを続けています。1時間ほど歩くと、イライラもすっきりして、身体にも心にもいい影響があると思います。
Q.これから、管理職を目指す女性、働く女性に向けてメッセージ
結婚、出産を経て仕事を続けることに不安はありましたが、会社に相談できる環境が大変助けになりました。また「働くことで社会の役に立っている」と思えることが、自分のモチベーションにつながっています。
入社当時から男女関係なく意見が言える職場環境でしたが、私自身も、自分の意見をきちんと会社に伝えてきたことが大きいと思っています。結婚、育児の経験者として、これから経験する人へ、両立できるということを伝えて行きたいし、模範になればと思っています。これからは男性も育児休業をとる時代。男性も子育てをしながら働きやすい環境を作っていくことなど、自分の立場としてできることをしていきたいと考えています。