インタビュー紹介

アイキャッチ画像画像
若林 由香さん

若林 由香さん

トーカロ株式会社
管理本部 人事総務部 
ダイバーシティ推進室 専門課長
「些末なことを気にせずベストを尽くす」

会社情報

トーカロ株式会社 
【所在地】(本社)兵庫県神戸市中央区港島南町6丁目4番4号
【事業内容】溶射などの表面改質(表面処理)を主体とする金属加工会社
【社員数】811名(男性711名:87.7%、女性100名:12.3%)※令和5年3月末時点

「些末なことは気にせずベストを尽くす」

 トーカロ(株)は1951年東洋カロライジング工業(株)として設立されました。1958年、溶射技術を導入し、コア事業とする表面改質分野で大きく発展。1981年に現在の社名になりました。2006年には中国広州市で子会社の本格操業を開始。今では中国、台湾、アメリカ、インドネシア、タイにグループ会社を持つなど国際的な展開を推し進めています。

 また、中期経営計画のビジョンや年度方針では、女性活躍や働き方改革を含むダイバーシティ推進を重要テーマとして掲げ、全社一丸となり多様な人材が活躍できる風土づくりを目指しています。

 今回はダイバーシティ推進室の専門課長として活躍する若林由香さんにお話を伺いました。

 

Qダイバーシティ推進室について教えてください。

 2018年に女性の社外取締役が就任したことをきっかけに、女性活躍を始めとするダイバーシティを本格的に進めていくことが、当社が社会から名実ともに信頼される企業であり続けるための必須テーマであるという方向性が経営層から示されました。これを受け、まず2020年4月、各事業所からメンバーを選抜しダイバーシティ推進委員会が誕生。委員の積極的な活動で、ダイバーシティを推進する全社的な機運が醸成できました。
 そして、さらに会社として取り組みを加速させるため、2022年に専担組織として立ち上げられたのがダイバーシティ推進室です。他社に比べると、決して本格的な着手が早いとは言えませんが、この3年あまりの間、「みんながイキイキと働ける会社にしたい」と全社で心を一つにして歩んできた結果、2023年6月には、子育てをサポートするとともに不妊治療と仕事の両立環境整備に取り組む企業として『くるみんプラス』認定を兵庫県で初めて取得しました。

Qダイバーシティ推進室で取り組んでいることについて教えてください。

 人材育成やキャリア形成、ダイバーシティへの理解を深めてもらうためのイベントにも注力しています。昨年は女性の管理職候補社員には外部スキル研修を受講してもらい、全てのライン課長には少人数ワークショップ研修を実施しダイバーシティ推進の重要性について啓蒙を行いました。
 社内研修はもちろん大切ですが、外部研修は他社の方と渡り合うスキルを培う貴重なチャンス。世の中で自分の力がどのくらいなのかを知り、社外でも通用する力を身につけることで、若手社員に自信を持ってポジティブにキャリアを築いてほしいとの思いで企画しました。
 また管理職研修では、少人数制オンラインワークショップを総勢70名以上にむけて開催。少人数で行ったことで、密度の濃い記憶に残る研修が出来たと思います。終了後のアンケートでは手厳しい意見もありましたが、それにより見えた課題を次の動きのための貴重なヒントとして捉えています。

Qこれまでの経歴を教えてください。

 大学卒業後に就職し、1年半勤めたあと結婚を期に退職しました。その後子ども2人を年子で出産し、時々アルバイトをしながら専業主婦をしていましたが、33歳の時に仕事に復帰しようと就職活動をしました。当時トーカロの本社が自宅から近く、子どもの学校からも近かったため、パートで働き始めました。その後、契約社員を経て、42歳のときに正社員として採用されました。
 入社後、現在のダイバーシティ推進室に着任するまでは、海外関連業務に約15年間、携わりました。

身につけた知識はいつか役に立つ

Q仕事を続けるために、こだわってきたことや工夫したこと、役に立ったことなどがあれば教えてください。

 海外関連業務では、輸出入や貿易についての知識が不可欠です。また、各国のお客様や提携先を案内することもあり、日頃から、当社の技術を英語で説明できるよう勉強を心掛けていました。技術者の方は図面を書きながらでも説明できますが、私は技術的なバックグラウンドがないため、できる限りの準備で臨みました。それでも失敗の連続でしたが、その積み重ねは今も役に立っています。知識やスキルはいつか役に立ちます。それは、別の部署に異動したときかもしれないし、異なるキャリアにチャレンジしたときかもしれません。

Q上司・同僚から認められる働き方・組織の中で上手くいく働き方とは?

 以前の業務が全社の海外案件を取りまとめている部署だったため、本当に多くの部署の方とお仕事をしました。その結果、「これはこの人に伝えれば大丈夫」「あれはこの人かな」という広い繋がりができました。「上手くいく」というのとは少しニュアンスが違いますが、共に仕事をして苦労を分かち合った仲間として、「今度は助けてね」と言い合える関係性ができたことは得難い財産です。

Qストレス解消方法はありますか?

 あまり溜まらない方かもしれません。些末なことではくよくよしないように心がけています。気分転換には、海外に旅に出ます。テレビの暗いニュースなど、つい耳に入ってきてしまうので、日本語が聞こえないところへ行くとかえって解放感があったりします。

機嫌よく出来ることを出来る範囲で

Q家庭生活、子育てと両立させるために工夫されたことはありますか?

 仕事があり、あまり手をかけることは出来ませんでした。きれいな素晴らしいお弁当とか作ったことがなくて、子どもからは「お弁当が可愛くない」と、よくクレームを受けていました(笑)
 ただ、手は2本しかないので、機嫌よく出来ることを出来る範囲でやっているところを子供たちに見せればいいのかなと。自分を縛り過ぎる必要はないと思います。

 

Qこれから管理職や女性リーダーを目指す女性へのメッセージやアドバイスがあればお願いします。

 細やかで気配りができる人こそ、悩みがちになってしまいがちです。心の断捨離というか、大切なことは何なのかを見極めて、それに心を傾けてベストを尽くせば、小さなことはあまり気にならなくなるような気がします。