インタビュー紹介
鹿野 智子さん 西野 美紀さん
あっぷる本部介護ステーション
係長 鹿野 智子さん(写真左) 総務事務/係長 西野 美紀さん(写真右)
助け合ってみんなの想いをカタチに
会社情報
あっぷる本部介護ステーション
【所 在 地】姫路市神屋町6-71
【事業内容】介護サービス事業・障害福祉サービス事業
【従業員数482名】(2019年1月現在)
(うち男性81名女性401名)
助け合ってみんなの想いをカタチに
株式会社あっぷるは、冠婚葬祭関連事業を主とする117(イイナ)グループの介護部門として、1988年設立。現在は姫路市内を中心に、訪問介護、デイサービス、介護付有料老人ホームといった介護事業を14カ所(介護保険指定30事業所)で運営しています。
「働き続けられる職場をつくりたい」という共通の思いを抱いて日々活躍する、本部介護ステーションの総務事務係長の西野美紀さんとケアマネージャー(係長)として活躍する鹿野智子さん。立場の違うお二人に、これまでの歩みと仕事への思い、後へ続く女性へのメッセージなどを伺いました。
働きやすく働きがいのある職場で働き続けるために
Q現在の会社に就職された経緯についてお聞かせください。
鹿野:私が入社したのは2000年の9月。介護保険がスタートした時期で、ハローワークにはヘルパー2級の講座の案内が幾つか出ていました。当時は別の仕事をしていたのですが、長く働ける分野への転職を考えていたこともあり、興味を持って見ていました。
タイミング良く友人が講座を受講するという話を耳にして、私も背中を押されるように仕事を辞め、一緒に受講して資格を取得しました。その後、あっぷるで訪問入浴サービスの介護職員募集があったので応募し、採用されて現在に至っています。
西野:私が入社したのは、2004年です。それまで金融機関で働いていたのですが、当時は時代背景もあり、残業も多く休暇も取りづらい状況でした。長く勤められる職場に転職したいと思うようになり、手話サークル活動を通して福祉に興味を持ったこともあり、これまでの経験を生かせる事務の仕事を探していたところ、あっぷるでパート事務の募集があったことから応募しました。
Q介護分野で働くうえで心がけてきたことは。
鹿野:入社後、まず、姫路で訪問入浴・訪問介護の仕事を5年程させて頂きました。ご家族の方からも大変感謝され、入浴されているご本人は本当に気持ちよさそうで、こんなにも感謝される仕事は、そう他にはないと思います。直接人の役に立てる仕事で、やり甲斐を感じていました。
その後、ヘルパー派遣や人材育成など管理業務に携わりました。上司は、指示を与えると言うより聞き上手な方で、課題にぶつかった時「どうしたい?」とうまく意見を引き出して現場からの提案を採用してくださるので、若い時から考えて行動する習慣がつきました。現在はケアマネージャーとしての業務が主となっていますが、私も意見を言いやすい職場、事業所間での情報共有や連携ができる職場づくりを心がけています。
西野:私は、入社後半年間は訪問介護の事務に従事していました。半年後のパート契約更新時に声をかけて頂き、正社員として働くことになりました。仕事内容も次第に範囲が広がり、行政への届け出、事業計画や予算作成といった法人としての事務業務に移行していきました。
通常の仕事の上に、さらに急な依頼があると目一杯になってしまうのですが、経験の中でどのように働けば効率がいいかを考えるようになりました。今では週・月・年間のスケジュールを立てることを習慣化しており、以前に比べ落ち着いて対応できる様になりました。中規模の組織であるので、様々な仕事に挑戦できるのが嬉しいです。
Q介護施設というと人手不足、過重労働というイメージがありますが。
鹿野:現在介護する側の高齢化も進んでいますが、緊迫した人手不足は感じていません。高齢の方や子育て中の女性に働きやすい職場づくりとして進めている多様なシフトの勤務体制が、介護員の離職防止につながっているのだと思います。昼間はホームヘルパーとして短時間働き、家の用事を済ませた後、夕方からもう一度働く方もいらっしゃいます。皆さんが空いた時間をうまく活用できるようにシフトを組むようにしているので、無理なく働き続けて下さっています。
また、複数の施設が近隣にあるため、家庭の事情で急に休まなければならないような場合でも、事業所間で職種ごとの応援が可能です。チームプレイでの対応を常態化することで、お互い様意識が自然と芽生えています。
西野:あっぷるは、働かれる方の声を聞き、「個々の事情や思いをくみ働きがいのある職場に」をモットーに、多様な人材が活躍できる環境整備を考える中で、事業所内に託児所を開設(H23 姫路、H25 加古川)しました。また、個々の従業員の事情に対応する勤務パターンを作った結果、正社員で5区分、パートタイムは22区分に細分化した多様な勤務体制を整備することとなりました。半日有休制度もH28年からスタートしており、皆さんが有効に活用しています。
私は、社員の相談窓口になっています。相談はあまり無いですけどね(笑)。今後も皆さんが働く中で感じられた意見を会社に伝えるパイプ役として頑張ります。
Q利用者の皆様へのサービスを向上するために心がけていることは。
鹿野:利用者へのサービス向上には、優秀な人材の増員と定着が不可欠です。資格取得支援制度として、ケアマネージャーや介護福祉士等の受験対策講座を社内で開催するなど、個人のキャリアアップを全力でバックアップしています。また、介護のスキルアップ研修も社内で計画的に実施しています。さらに、あっぷるでは、非正規社員も本人の頑張りに応じて主事やチーフ職を任せる仕組みもありますので、多様な働き方の中にやり甲斐を見いだせる工夫をして社員のモチベーションアップに配慮しながら、利用者の皆様に質の高いサービスが提供できるように心がけています。従業員の満足度と利用者様の満足度は組織の両輪だと思っています。
より仕事に専念できる環境を目指して
Q西野さんは女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定を担当されましたが。
西野:弊社のデータを整理し、分析していく中で見えてきたことがいくつかあり、上司の方々と相談しながら計画を策定し、届け出、社内への公表などをしてきました。多様な勤務体制のシフトの中で、希望休がとりやすいため有給休暇の取得率が低い、職種によって定時退社への意識に偏りがある、育児・介護との両立について、特に男性スタッフへの制度周知ができていないというような事も見えてきましたので、現在は意識改革や業務プロセスの見直しなどに努めています。また、社員の約8割が女性なのに、管理職の女性が一人もいないのは、弊社の課題だと認識しています。
鹿野:利用者も女性が多いことを考えると、もっと会社の方針や施策決定の場に女性が参画していくことは大切なことだと思います。私たち二人は、転職時に抱いていた「ずっと働きたい」という想いを実現できていることを嬉しく思っていましたが、この十数年の経験の中で、「ただ働く」のではなく、「より良く働く環境の整備」の実現に向けた夢を抱くようになりました。
介護保険事業では、現場でのサービスに加えて多くの記録や報告書などの作成業務があり、パソコンの前に座る機会が多くなっています。介護スタッフには、利用者に向き合う時間を増やしてサービスレベルを上げていってもらいたいと思っています。そのため、コンプライアンス委員会活動において、事業所ごとに行っている様々な管理業務を一括管理し、効率化していくことを検討しています。事業が順調なこともあり、事業所数も増えています。現在は二人で委員長、副委員長を務めていますが、より精度を高めるために将来は専任の部門を設置できればと思っています。二人で各事業所を周り、事務の立場からと介護技術等の立場から、各事業所の運営について支援していきたいと大きな夢を描いています。
Q若い人たちへのメッセージをお願いします。
鹿野:現在、グループリーダーの職にいらっしゃる方は、さらにキャリアを積み重ねていただきたいと考えています。
何か課題にぶつかった時は、上司ならどう対応するか?と考えて行動して欲しいと思います。私は旅行が大好きで、定期的に休みを取って旅行に出かけリフレッシュしながら働いています。皆さんも有給休暇を活用して、自分なりに上手に気分転換をしながら頑張ってほしいと思います。
西野:何事にも目標を持って、現状を改善していく方法を考えていっていただきたいです。解決できたときは本当に嬉しいものです。私自身壁にぶつかることも多々ありますが、周りのサポートがあってここまで頑張って来ることができました。人は一人では何もできないものです。何事も苦手意識を持たずに周囲のサポートを受けながら頑張って欲しいと思います。
※インタビューを終えて
実は同い年のお二人。本部の総務事務とケアマネージャーという立場を超えて、同じ目標に向かっていらっしゃいます。
見た目はふんわり。でも、芯の強さを感じる西野さん。利用者さんへの愛に溢れる鹿野さん。お二人の良いところがうまくミックスされ、大きなパワーとなっているように感じました。