インタビュー紹介

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田原 貴代美さん

田原 貴代美さん

株式会社山陽百貨店
人事担当兼サービス改革・教育担当 部長
「女性たちが『笑顔』で働き続けられる職場であるために」

会社情報

株式会社山陽百貨店
【所在地】姫路市南町1番地
【事業内容】百貨店業
【従業員数】433人(女性345人、男性88人(平成28年8月時点))

女性たちが「笑顔」で働き続けられる職場であるために

 昭和の復興期に開業以来、姫路のシンボルであり続ける株式会社山陽百貨店。同社の人事担当兼サービス改革・教育担当 部長の田原貴代美さんは、仕事と育児・介護を両立してこられた自らの経験を元に、女性社員が働きやすい、働き続けられる職場づくりに取り組んでおられます。その原動力は「大好きな山陽百貨店のために役に立ちたい」という熱意です。「いつも笑顔」がモットーの田原さんにお話を伺いました。

一緒に働く社員にも、「職場が好き」「仕事が楽しい」と感じてもらえる環境づくり

Q これまでのご経歴は? 

 入社以降約19年間、食品部に在籍しました。お菓子売場のマネージャー(課長職)として、洋菓子ブームの頃には、有名店の出店交渉などにも携わりました。その後、異動した子供服売場は、衣料品だけでなくあらゆる商品を扱う「百貨店の縮図」のような部署です。それまで食品部一筋でしたので戸惑いもありましたが、大いに勉強になりました。
 課長職を6年務めた後、上司から部長職のアセスメントを薦められ、平成17年に教育担当の部長になりました。売場やお客様サービスの担当も兼務しながら、平成27年9月からは人事担当部長兼務となりました。現在、社内には私を含め3名の女性部長がいます。

Q 現在取り組んでおられることは? 

 当社では、新たに入社した社員とテナント従業員を対象に「入店研修」を実施しており、年間約700人が受講しています。売り場担当は約1,500人いますから、1年で約半数のスタッフが入れ替わっていることになります。お客様からのクレームの大部分は、初歩的なミスが原因のため、「社員がやめずに働き続け、スキルアップすることが、ミスの軽減やサービスの向上につながる」と考えています。
 経験のある社員はかけがえのない財産です。離職を申し出る社員には、「辞めるのはいつでもできる。辞めることよりもどうしたら働き続けられるか、一緒に考えませんか」と問いかけます。残念ながら辞めることになってしまっても、「いつでも帰ってきてほしい」と声をかけます。

Q 仕事への熱意の原動力は?

 やはり、仕事が好きなことだと思います。「大好きな会社の役に立ちたい」との思いが力を与えてくれているのだと感じています。社員には、「ここで働くことができてよかった」「この人と働けてよかった」と感じてもらいたいと思います。社員が働く喜びを感じれば、百貨店全体に笑顔があふれ、お客様にも喜んでいただけると思います。

管理職の肩書きは大いに活用すべき!

重荷として受け止めず、前向きにチャレンジを!

Q 管理職を目指したきっかけは? 

 私自身、部長になったことは巡り合わせと感じています。ただ、課長在職時の上司(部長)が女性だったことが、私にとっての一つの道すじになりました。課長在職時、昇進してどのようなことをしたいか、との論文の課題に「業務の標準化や従業員の教育が必要」といった提言のようなものを書いたことが、現在の職(教育担当部長)につながったのかもしれません。
 また、「誰かの役に立ちたい」と思いキャリアコンサルタント養成研修で1年間勉強しました。この勉強は現在の職務にとても役立っています。

Q 管理職になってよかったことは?

 役職が上がるほどに、自分の発言の影響力が広がります。今までできなかったことがやりやすくなり、仕事を進めるための近道ができるともいえます。仕事と育児・介護の両立に奮闘していた頃に、「こんな働き方ができればいいのに」と感じていたことを、今は実現できる可能性があります。同じような状況にある女性社員が、悩むことなく働き続けるための職場づくりに寄与したいと思います。

Q 管理職としてがんばる秘訣は? 

 管理職に推されたということは、会社はあなたに大きな期待を寄せているということです。手を抜かず全力で仕事に取り組むことは言うまでもありませんが、結果が出なかったとしても、「会社の見込み違いだった」と思えば楽ですよね。
 管理職になることを重荷に感じる若い女性もいます。確かに、仕事の範囲は一気に広がり、部下の状況にも目配りする必要があるなど楽ではありませんが、役職は「仕事を進めるうえでの便利なツール」として活用するぐらいの気持ちで、前向きにチャレンジしてほしいと思います。

「思い切ってやってみる」!

ななめ上の目標に向かって働き続ける

Q 仕事と育児、介護はどのように両立してこられましたか? 

 私は、仕事・育児・介護が同時進行していました。それぞれが大事なことなので、両立はとても難しかったです。常にバランスよく進めるように心がけていましたが、仕事で結果が出ないと情けなくなり、「何か一つに集中した方がいいのでは」と思ったこともあります。
 その一方で、「ダメだ」と思っても、次の日には「それほどでもない」と思えることもあります。基本的には楽天家なので(笑)。「絶対にやらなければ・・・・」と思う仕事ができなかったこともありますが、周囲が動かしてくれて何の問題もなかったこともあります。当たり前のことですが、仕事は一人でやっているのではありません。
 寝る時間も満足に取れない時期は辛かったですが、周囲の助けも借りながら「あと1日だけがんばろう」と自分を励ましていました。支えていただいた方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。私にとっては、育児や介護を経験したことが仕事にもいい影響を与えたと感じています。

Q 後輩女性へ伝えたいことはありますか? 

 まずは「思い切ってやってみる」ことです。「いつでも辞められる」といい意味で開き直って、存分に力を発揮してください。ミスをしても、なんとかなるものです(笑)。「どうにかなる」くらいの気持ちで臨んだ方が、仕事に邁進できると思います。
 また、自分のしたいことを常に意識し、目標を「声に出して言う」と良いと思います。いいアドバイスをくれる人が現れますし、自分もその気になってきます。目標はちょっと高く、常に自分のななめ上に掲げて、新たな目標をつなげていくイメージです。
 人とのつながりも大切です。自分一人でできることには限りがあります。辛いときは、人の助けを借りれば良いのです。求めるばかりではなく、お互いに協力する関係が大切です。
 また、仕事に熱中すると視野が狭くなりがちです。自分自身を俯瞰することも大切です。特に、大変なことにぶつかったときには、違ったものが見えるかもしれません。
 最後に「笑顔」です。私は、笑顔になると内面のよどみがなくなっていくと感じるので、辛いときこそ笑顔を心がけるようにしています。皆さんも笑顔を大切に、ぜひ自分のやりたいことを実現していただければと思います。