インタビュー紹介

HP使用画像
鈴木 真理子さん

鈴木 真理子さん

伊藤ハム株式会社管理本部人事総務部
人材開発室ワーク・ライフ・バランス推進担当

会社情報

伊藤ハム株式会社
 【所在地】兵庫県西宮市高畑町4-27
 【事業内容】食肉加工品の製造販売
 【従業員数】1747人(H28.3月末)

食品業界でワーク・ライフ・バランスを推進

自身も両立に日々奮闘中!

 1928年創業。ハム・ ソーセージなど毎日の食卓に欠かせない食肉加工品の製造販売で業界第2位の伊藤ハム。その本社、人事総務部で、ワーク・ライフ・バランス推進担当として活躍する鈴木真理子さん。現在9歳と5歳の二児の母として仕事と家庭の両立に日々奮闘されており、インタビュー直前に3人目のお子さんを妊娠中と報告がありました。今、これから両立を目指したい女性たちの少し先を行く先輩として鈴木さんにお話を伺いました。

社内で仕事と育児の両立支援や女性活躍を進めたい

自分自身の経験を生かして

Q この仕事に就かれた動機はどのようなものでしたか?

 生活に密着した企業、ダイレクトにお客様の要望などが実感できる仕事、ということで、食品メーカーの営業職を希望していました。当社への入社を決めたポイントは、採用試験で出会う社員の人柄を通じて感じた社風が、自分にとって心地よく感じたことです。入社後は人事部に配属されましたが、じっくり分析して考えることが好きな自分には、この仕事が合っていると感じています。

Q 入社してから人事一筋。いままでどのような業務を担当されてきましたか?

 私が入社したのは2005年。新卒採用業務の補佐などからスタートしました。その後一人目を出産し、育児休業から復職後は、仕事と育児の両立支援の担当となりました。育児短時間勤務制度などの社内制度の整備を行い、自分の経験を生かせる業務を与えてもらったことをとても有難く感じました。

 ここ数年は、ワーク・ライフ・バランス推進担当として、様々な施策に関わらせていただきました。現在は在宅勤務制度の導入を目指して取り組んでいるところです。

Q 自身が整備した制度が両立支援に役立っているという手ごたえがありますか?

 年々、育休をとって復帰する人が増えてきている中で、女性の悩みがシフトしているのを感じます。昔は仕事を辞めるか続けるか、という悩みだったのが、今は仕事を続けることは大前提で、その先どうやって成果をだすかで悩んでいる。その点で、これまでの取組みの成果が一定程度出ていると言えると思います。

 

不安や悩みは尽きない…

それでも目標は「限られた時間できっちりと成果を上げる管理職」

Q 仕事で苦労したことは

 一人目を産んで復職してから二人目を産むまでの三年間、時短勤務をしていました。当時の上司の計らいで、業務内容や業務量を調整していただいていました。家事も育児も自分ひとりで背負っているような状態でしたので、その上司の計らいに私自身も甘んじていましたが、一方で、モチベーションを保つのが難しい状況でもありました。

 その経験から、育児中の部下を持つ管理職に対しては、「フォローは大事だけれども、過度な配慮は逆にキャリアやモチベーションを阻害します」と伝えるようにしています。

 

Q 仕事する上で心がけていることはありますか?

 「前倒し」を心がけています。昨日も暴風警報が出て、小学校からお迎え要請のメールが来ました。そのようなことが急に起こるので、何事もなるべく期限に余裕をもって仕上げるようにしています。

 また、部署のメンバー全員が情報共有を大切にしているので、急に誰かが休んだとしても、他のメンバーがフォローできる体制ができています。

 また、私は普段から職場の人に家族や子どものことを話す方なのですが、子どもが体調不良というときには、「○○くんが熱なの、大丈夫?」と心配までしていただき、とても有難く感じています。

Q 鈴木さんご自身のキャリアデザインは?

 総合職として働き続けていくからには、管理職は一つの目標です。

 まもなく三人目を産むために産休にはいりますが、4月に主事という管理職を補佐する立場になったばかりでこれからという時期だったので正直不安な思いはあります。

 妊娠が分かる前はわりと遅くまで残業する日もあったのですが、上司からは「そのままでは管理職になれないよ。時間があるから使うのではなく、限られた時間での成果を上げる管理職になりなさい」と常々言われていました。3人子育てしながらも管理職になり、後に続く人に希望となる存在になれればと思います。

Q 社内で鈴木さんにとってのロールモデルとなっている方はいますか?

 私より少し年上で、昨年から管理職となった女性が、私にとって一番のロールモデルです。入社当時、席がとても近かったこともあり、よく声をかけてくれて気遣ってくれました。海外事業所の立ち上げに携わり、海外出張をこなし、ハードな仕事の中でも一切大変さを顔に出さずいつも笑顔を心がけておられました。お子さんを持って管理職に就かれたのは、社内で彼女が初めてですが、時短勤務を感じさせない業務量をこなしていました。私は何か仕事が舞い込んでくると、まずどうしようと考えこむのですが、その方はとにかくアクションが早く、すぐ判断できる。それが育児中でも成果を出し続ける秘訣なのかなと思います。

 ロールモデルというと特定の一人の全体像を思い浮かべがちですが、最近パーツモデルとして、「この人のこの部分はすごい」「この部分は見習おう」という捉え方ができるようになりました。社内の女性たちにも、そういった視点でロールモデルを探してもらいたいと感じます。

日常の何気ないことでストレス発散、心を軽くする

Q 家庭ではパートナーとどういうふうに役割分担していますか?

 とても恵まれていると思うのですが、夫は家事も育児もよくしてくれています。食事は私が作りますが、食器を洗ったり、掃除関係は全て夫がやっています。

 最初は時短勤務だったので、私が全部やっていたのですが、2度目の育児休業から復職後、夫に「フルタイムに戻そうと思う」と相談した時に、すんなりと役割分担をしてくれました。夫の母は仕事を持っており、夫は子供のころから家事を手伝っていたのでとても理解があります。これには本当に感謝しています。

Q 日々忙しい中でのストレス発散方法

 私は洗濯物を畳むのがとても好きなのですが、子供が寝た後、洗濯物を畳みながら夫とたわいもない話をするのがストレス発散ですね。休みの日に体を動かすのも好きで、上の子が少年野球に入っているので週末は見に行っています。旅行に行ったり買い物に行ったり特別なことをするというよりは、日常の中でストレス発散しています。

Q これから育児休業をとり、その後も活躍したいという人に向けてアドバイスをお願いします

 育休を取るタイミングではなく、入社直後から働き方を意識することが大切です。若い時に「長時間労働での成功体験」しか経験していないと、時短勤務になったとき「時間がないからできない」となってしまいます。あの頃のような働き方ができないと苦しまないために、若い時から「短時間でもできる」という自信をつけてほしいと思います。