インタビュー紹介

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光葉 篤子さん

光葉 篤子さん

ダンロップスポーツ株式会社
グローバルマーケティング部主査
人との繋がりを大切に
それぞれの働き方を認め、長い目で見たキャリアプランを

会社情報

ダンロップスポーツ株式会社
【所在地】神戸市中央区脇浜町3-6-9
【事業内容】ゴルフ用品、テニス用品の製造および販売、フィットネス事業、ゴルフトーナメント運営、ゴルフ・テニススクール運営、ゴルフ場運営、ライセンス事業
【従業員数】連結:1,938名 単体:378名( 2015年12月現在 臨時雇用除く)

人との繋がりを大切に

自分らしい働き方で、長い目で見たキャリアプランを

  ダンロップスポーツ(株)は、1930年に日本で初めてゴルフボールと硬式テニスボールの生産を始めた企業で、ゴルフ・テニス用品の製造販売のほか、ゴルフトーナメントやゴルフ場、フィットネス、ゴルフ・テニススクールなどを企画・運営しています。ここで働く光葉篤子さんは、1986年に技術職で研究部に入社した後、さまざまな部署でキャリアを積まれ、現在はグローバルマーケティング部で海外を相手に女性管理職として活躍しています。

周囲に支えられ仕事と育児を両立

 本当に恵まれていました。私の子どもはまわりの人に助けていただいて育ったと思います。最初の子どもを出産したのは、育児休業制度が始まって間もない時でした。キャリアの継続や慣れた仕事でなんとか工夫をという会社の方針で、元いた部署に復帰しました。二人目の時はさすがに「戻って同じように働けるかどうか自信はないけれど、出来なかったら辞めたらいいわ」と開き直って育児休業を取り、時短制度はなかったですが仕事が楽しいまま一生懸命働き続けることができました。それには、家事育児を分担してくれた夫の協力があり、夫の母親や自分の姉が子どもの病気等の時に助けてくれていたことなどがありました。また、子どもが大きくなるまで家族ぐるみでお付き合いしていた近所の大家さんの存在にも感謝しています。最近の人は周りの迷惑になったら困るとか、何でも自分で処理してしまおうと思いがちですが、人と繋がり、助け合いながら生きて行くほうが良いと思います。人と交流していると助けてくれる人は必ずいますし、自分も周囲を助けてあげることで成長できると思っています。

ロールモデルとの出会いから横のつながりも大切に

 自分の転機は、ゴルフ用品の開発をしていた頃、少し年上の35歳位のデザイナーさんとの出会いでした。その方は、子どもがいて雰囲気も柔らかく、キャリアウーマンという肩に力が入った感じではなくて自然体。でも、仕事は一生懸命、情熱と責任を持ってされており、「結婚して子どもを産んでもこんなに仕事ができるのだな」と憧れた覚えがあります。言ってみればロールモデルですよね。そういった方との出会いはとても大切だと思っています。また、私が管理職になった時、社内には女性の管理職はほとんどおらず、特に子どもを持つ女性管理職は初めてだったので、相談相手が欲しくて、兵庫県経営者協会女性産業人懇話会(VAL21)に入りました。他の人がどんな意識で働いているのか、感じたりお話を伺ったりする中で、横の繋がりで情報を共有することの大切さを感じました。大企業でも中小企業でも、上司は男性ばかりという立場の女性はまだまだ多いでしょうから、そういう方にもぜひ横の繋がりを大切にしてほしいですね。

いろんな働き方を容認することが大事

 女性の働き方は、いろいろあって良いと思っています。結婚して子どもを産んで管理職になることが一番良いとは全然思っていません。例えば、主婦業に専念している方で、それが幸せだと感じ、やりがいを持っていれば、それはすばらしいことだと思います。私は、育児休業をしている間も家の中はきれいではなかったですし、主婦には全然向いていませんでした(笑)。いろんな働き方を容認することが大事です。ロールモデルについても、社長だとか成功されている方ばかりをロールモデルとして取り上げられていることが多いですが、一人一人が理想とする働き方があると思います。それを認めながら女性の活躍推進を進めていくのが大切ではないかと思っています。

機会を与え、鍛え、期待してほしい

 以前VAL21の座談会で、子どもを産んで職場に帰ってきたら「楽な仕事が良いだろうと思われて楽な仕事に回されたことで、モチベーションが一番下がった」という話を聞きました。東レ経営研究所の渥美由喜先生の「女性社員に、機会(きかい)を与える、鍛える(きたえる)、期待(きたい)する」という「三つのキー(鍵)」の話があります。機会を与えていない、鍛えていない、期待もしていないではだめですよね。男の人でもそれでは育たない。私が育児休業中、上司が「今こんな事で討議しているので、あなたの考えを聞かせてほしい」と家にFAXを送ってきたことがあります。育児休業中の私にです。これって、「私は必要とされているんだ」と感じますよね。そういう上司が良いと思いますし、そういうふうに扱っていただけたら、女性の活躍もどんどん進むのではないでしょうか。

管理職になってよかったと思うこと

 管理職になると、社内の男性からも一目置いて見てもらえます。社外の人と接する時もその立場の人間として扱いを受けるので、そこは良いところですね。偉そうにするのは性に合わないので、周りの人が気持ちよく働いてくれているかを常に気にかけています。また、部下と一緒にみんなで何かをやって成功した時や部下が一皮剥けて育ってくれた時が最高にうれしいですね。

後輩へのエール

 一人で悩まずに周囲の人に相談する、自分はどんなふうになりたいかを上司に伝える、希望があるのなら積極的に伝える努力をすることが大切です。今は制度もいろいろ整ってきていますから、制度を知っているのと知らないのとでは、同じ働き方でも収入や昇進に大きな差が出てくることもあります。また、子どもが小さく大変な期間は、あなたの長いキャリアの中のほんの数年間です。よく考えて、自分がいきいきと働ける働き方を見つけ、楽しくてやりがいがある人生を送りましょう!